建設業許可を新規で取得するには?自分が取れるか・必要書類・費用・期間を確認

※本記事は、2026年9月15日時点で確認した国土交通省・各行政庁の公式情報をもとに作成しています。申請内容によって必要な条件や資料は異なるため、申請時には管轄行政庁の最新情報をご確認ください。

元請から許可の取得を求められた。請負代金が500万円を超えそうな工事の話が来ている。今後の取引に備えておきたい。この記事は、そうした理由で建設業許可を新規で取得したい方に向けたものです。許可が必要かどうか、取得要件、必要書類、費用と期間、申請の流れを、「次に何を確認すればよいか」が分かる形で整理します。まず必要な許可・取得要件・それを示す資料を確認し、費用と期間はその後に見通しを立てると、手戻りを減らせます。

最初の2つの章の冒頭にある「セルフチェック」を使うと、先に読む箇所を選べます。
利用は任意で、回答しなくても本文はそのまま読めます。

まず許可が必要か確認

請け負う工事が「軽微な建設工事」の範囲を超える場合は、建設業許可が必要です。
当てはまる状況を選ぶと、先に読む箇所をご案内します。

建設業許可を検討するタイミング?

当てはまるものを選んでください。
先に確認したい内容をご案内します。

許可が必要になる工事

許可がなくても請け負える「軽微な建設工事」の基準は、工事の種類によって次のとおりです。

工事の種類建設業許可がなくても請け負える「軽微な建設工事」
建築一式工事以外1件の請負代金が500万円未満
建築一式工事1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

(出典:国土交通省「建設業の許可とは」)

金額は消費税込みで、年間売上ではなく1件の工事ごとに判断します。
500万円ちょうどは「未満」に入らないため、許可が必要な側になります。
建築一式工事の場合、1,500万円以上の工事でも、延べ面積150㎡未満の木造住宅工事であれば軽微な工事に当たります。
「木造」「住宅」の定義は上記ページで確認できます。

材料の支給や契約の分割などで判断に迷う場合は、契約内容を整理したうえで管轄行政庁に確認しましょう。

取得を検討したいケース

許可を検討する理由によって、次に確認することが変わります。

  • 許可が必要な工事を請け負う:
    許可を受けてから契約・受注する前提で、日程を組みます。
  • 取引先から求められた:
    求められている許可業種と期限を確認します。
  • 将来の受注や信用に備える:
    取得すれば受注が必ず増えるわけではありません。費用や準備の負担とあわせて判断します。

行政書士法人プラットフォームへの相談では、工事の話が進んでから「この工事には建設業許可が必要か」と確認されるケースもあります。
許可が必要な工事では申請準備や審査に時間がかかるため、できるだけ早い段階で許可の要否と取得時期を確認しておくことが大切です。

今の会社で取れそうか

建設業許可の新規取得では、経営・技術者・財産・社会保険・営業所・誠実性と欠格要件の6分野を確認します。
この6分野は法令上の要件の数ではなく、確認漏れを防ぐための区分です。

ここでは一般建設業の初回取得を中心に、確認分野を整理します。
特定建設業では、技術者・財産面などの条件が異なります。
区分が分からない方は、先に「どの許可で申請する?」をご覧ください。

各分野の確認状況を選ぶと、読む箇所をご案内します。

取得に向けて確認したいポイント

各項目の確認状況を選んでください。
「まだ確認していない」「判断に迷う」項目は、確認する場所をご案内します。

経営体制

技術者

財産

社会保険

営業所

誠実性・欠格要件

各分野の詳しい基準は、国土交通省「許可の要件」と申請先の手引きで確認できます。

経営体制を確認する

常勤役員等(個人事業では事業主など)に、建設業の経営経験があるかを確認します。
代表例は「建設業の経営経験5年以上」ですが、認められる経路はほかにもあります。
現場での作業経験は、経営の経験とは別に扱われます。

次に確認すること:
経営を担う人の役職と、経営に関わった期間

技術者の条件を確認する

営業所ごとに、営業所技術者等(旧称:専任技術者)を置く必要があります。
必要な条件は、取得する業種と一般・特定の区分によって異なります。
資格がなくても、実務経験などで認められる経路があります。
ただし、経験年数だけで誰でも条件を満たせるわけではありません。

次に確認すること:
技術者候補の資格、担当してきた工事、経験期間

財産面を確認する

一般建設業の初回取得では、次のどちらかで財産面を確認します。

  • 自己資本が500万円以上ある
  • 500万円以上の資金を調達する能力がある

「資本金500万円が必須」という意味ではありません。
また、この条件だけを満たせば許可されるわけでもありません。

次に確認すること:
決算書などで見た財産の状況。どの資料で示すかは、申請先の手引きで確認します

社会保険を確認する

健康保険・厚生年金保険・雇用保険のうち、法令上加入義務があるものに適切に加入している必要があります。
加入義務の有無は、事業の形態や従業員の状況によって異なります。

次に確認すること:
各保険の加入状況と、加入義務の有無

営業所の実態を確認する

営業所は、契約業務を行う場所としての実態と、その場所を使用する権限があるかを確認されます。
求められる状態は、神奈川県の手引きのように申請先ごとに示されており、他の都県でも同じとは限りません。
写真などの資料が必要になる場合もあります。

住居と営業所を兼ねているケースでは、居住スペースと事務所として使用している部分の状況を確認できるよう準備が必要になることがあります。
実際の申請準備でも営業所写真を撮る前に室内を整理し、事務所として使用している状況が分かるように整えたケースがありました。

次に確認すること:
申請先の手引きに書かれている営業所の要件

誠実性・欠格要件を確認する

次の2つを、それぞれ確認します。

  • 誠実性:請負契約に関して、不正・不誠実な行為をするおそれがないか
  • 欠格要件:許可を受けられない事由に当たらないか

どちらも対象となる事由が細かく定められています。
気になる事情がある場合は、最新の手引きを確認したうえで、管轄行政庁などに個別に相談してください。

分からない分野があっても、それだけで取得できないと決まるわけではありません。

どの許可で申請する?

新規申請では、「知事許可か大臣許可か」「一般か特定か」「どの業種か」の3点を決めます。

知事許可と大臣許可

建設業の営業所が1つの都道府県内だけにあれば知事許可、2つ以上の都道府県にあれば大臣許可です(国土交通省「建設業の許可とは」)。

  • 現場が県外にあるだけでは、大臣許可にはなりません。知事許可でも全国で施工できます。
  • 数えるのは実態のある営業所です。登記上の住所や、建設業と関係のない支店は含みません。

一般と特定の違い

発注者から直接請け負った工事で下請代金の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合は、特定建設業許可が必要です(神奈川県の手引き)。

  • 年間売上や受注額そのものを区切る基準ではありません。
  • 一般建設業でも、大きな工事を請け負えないわけではありません。

取得する業種を確認

許可は29の業種ごとに取得し、実際に請け負う工事の内容から業種を選びます(神奈川県の手引き・様式の案内)。
建築一式工事の許可があっても、専門工事を自由に請け負えるわけではありません。
専門工事を単独で請け負う場合は、軽微な工事を除き、その業種の許可が必要です。

判断に迷ったら:次の3点を整理して相談すると、話が進めやすくなります。

  • 営業所の所在地
  • 工事の内容と金額
  • 下請に出す工事の規模

必要書類は何をそろえる?

建設業許可の新規申請で必要になる書類は、次の2種類です。
具体的な書類は、申請先の最新の手引きで確認します。

  • 申請書・添付書類
  • 取得要件を満たすことを示す確認資料

要件と証明資料は別

経験や体制が実際にあっても、資料で確認できなければ審査で認められないことがあります。
国土交通省「許可申請の手続き」でも、申請書・添付書類とは別に確認資料が案内されています。

経験・技術者を証明する

代表的な資料は次のとおりです。

  • 資格者証
  • 経歴を示す書類
  • 工事の契約書・注文書
  • 在任期間や常勤性を示す資料

どの資料が必要かは、証明する役割・期間・業種によって変わります。
「契約書1枚で足りる」といった一律のルールはありません。
確認資料の取扱いは変更されることもあるため、申請時には最新の手引きを確認してください。

会社・財産を証明する

申請書類と確認資料で示す主な内容は、次のとおりです。

  • 会社や個人事業主の基本情報
  • 財産
  • 社会保険
  • 営業所

財産は、税務申告の決算書をそのまま出せば済むわけではありません。
申請様式の財務諸表を作成する必要があります。

最新の手引きを確認する

一都三県の公式な確認先です。
必要な資料や取扱いは都県ごとに異なります。

都県公式の確認先ポイント
東京都東京都「建設業許可 手引、申請書類等」手数料や確認資料も記載
神奈川県建設業許可申請の手引き及び申請書等のダウンロード手引きは章ごとに掲載
埼玉県建設業許可申請の手引き・様式集確認資料や添付省略のお知らせあり
千葉県建設業許可の手引き常勤性の確認資料などの変更案内あり

埼玉県の添付省略などの運用が、他の都県にも当てはまるとは限りません。

一都三県での対応状況は、行政書士法人プラットフォームの対応エリアでもご確認いただけます。

費用と期間はどれくらい?

建設業許可の新規取得にかかる費用は、次の3つに分けて考えます。

  • 行政への費用
  • 証明書などの実費
  • 依頼する場合の報酬

期間は、申請前の準備と、申請後の審査に分けて見積もります。

新規申請にかかる費用

行政への費用

許可費用の種類一般・特定の一方を新規申請一般・特定を同時に新規申請
東京都知事許可申請手数料9万円18万円
国土交通大臣許可登録免許税15万円30万円

(出典:東京都「建設業許可 手引、申請書類等」、国土交通省関東地方整備局「許可申請の手続きについて」(PDF))

証明書などの実費

確認資料として公的な証明書などを取り寄せる場合は、その発行手数料や郵送費がかかります。

行政書士への報酬

行政書士法人プラットフォームでは、知事許可の新規申請サポートを14万円〜(税別)でご案内しています。
次の費用は別途かかります。

  • 難易度に応じた加算
  • 郵送費等
  • 法定費用

最新の内容は、建設業許可申請の料金案内でご確認ください。

許可までにかかる期間

申請の受付後の審査期間の目安として、公式資料で確認できる例は次の2つです。

どちらも、相談した日から数える日数ではありません。
許可の時期を保証するものでもありません。
2つは数え方の条件が異なるため、単純には比べられません。
東京都・埼玉県を含め、申請先の案内を確認してください。

急ぐなら準備から逆算

まず、「いつまでに」「どの業種の」許可が必要かを確認します。
申請前の準備では、予定していなかった手続きが必要になることもあります。
実際に、役員の重任登記が未了だったため建設業許可の申請に先立って登記内容の確認・整理が必要となり、申請までに時間がかかったケースもありました。
そのため必要書類を集める期間だけでなく、事前に必要となる手続きや申請後の修正対応も見込んで準備を始める時期を逆算しましょう。

  • 行政書士に依頼しても、行政の審査期間は短くなりません。
  • 軽微な建設工事の範囲を超える工事を請け負う場合は、必要な業種の建設業許可を受けてから請負契約を締結します。

新規申請はどう進める?

建設業許可の新規申請は、次の流れで進みます。
確認の順序は、手戻りを減らすための目安です。法令で決められた手順ではありません。

STEP01

必要な許可を確認

工事の内容と金額から、許可の区分と業種を決めます。

STEP02

取得要件を確認

6つの確認分野について、確認済みの分野と判断に迷う分野を分けます。

STEP03

証明資料を確認

申請先の手引きと手元の資料を照らし合わせます。

STEP04

足りないものを整理

不足している資料と、確認が必要な点を一覧にします。

STEP05

申請方法を決める

自社で書類を作成するか、行政書士に依頼するかを決めます。

STEP06

申請後の審査と許可

書類を作成・提出すると、審査が行われます。
審査中に書類の修正(補正)を求められる場合もあります。
審査を経て、許可・通知となります。
審査の結果、許可されない場合もあります。

(出典:国土交通省「許可申請の手続き」、神奈川県「許可の申請手続きの流れ」(PDF))

自分で申請する?頼む?

建設業許可の新規申請は、自社で行うことも、行政書士に依頼することもできます。

自分で進めやすいケース

次の条件がそろっていれば、自社での申請も十分に可能です。

  • 手引きを読んで、要件と資料を整理できる
  • 書類作成、問い合わせ、補正に対応する時間を確保できる

相談した方がよいケース

次のような点に不明な部分がある場合は、確認しながら進めると安心です。

  • 許可の区分・業種
  • 経歴の扱い
  • 証明資料
  • 日程

迷う点だけを管轄行政庁や行政書士に確認し、あとは自社で進める方法もあります。
依頼先を比べるときは、次の4点が目安になります。

  • 希望する業種や管轄行政庁に対応しているか
  • 報酬と実費の内訳が明確か
  • 資料の収集・作成・補正のどこまでを担当してもらえるか
  • 必要な時期に間に合う対応が可能か

プラットフォームでの対応内容は、新規申請を含む対応業務を見るからご確認いただけます。

取得への近道は最初の確認

建設業許可の新規取得は、「必要な許可→取得要件→証明資料」を最初に整理することが、手戻りを減らす出発点です。

自社で進める場合は、申請先の手引きを開き、要件と資料を照らし合わせるところから始めましょう。
相談する場合は、次の内容を分かる範囲でメモしておくと、話がスムーズです。
すべてがそろっていなくても、相談はできます。

相談前に整理するメモ

  • 許可を取得したい理由
  • 請け負っている工事・予定している工事の内容と規模
  • 営業所の場所
  • 経営を担う方・技術者候補の方の経歴や資格
  • いつまでに許可が必要か

なお、許可には有効期間があります。
取得した後も、更新や届出などの手続きが必要です。
更新時期が近い方は、「建設業許可の更新はどうする?期限・必要書類・費用・手続きを確認」もご確認ください。

よくある疑問

一人親方でも取得できる?

個人事業主であることだけを理由に、対象外になるわけではありません。
ただし、経営・技術者・財産などの要件を満たし、それを資料で示す必要があります。
一人ですべての役割を兼ねられるかどうかは、経歴や資格によって異なります。

設立直後でも取得できる?

設立からの年数だけで、一律に取得できないと決まるわけではありません。
常勤役員等の経営経験や、その他の要件と資料で判断されます。

以前の個人事業や別の法人で受けていた許可が、新しい法人へ自動的に引き継がれることはありません。
一方で、事業の譲渡や法人の合併・分割などの場合には、一定の要件のもとで、事前に認可を受けて許可を承継できる制度があります。
詳しくは国土交通省「許可申請の手続き」や管轄行政庁の案内をご確認ください。

資格がなくても取れる?

資格がなくても、実務経験などで営業所技術者等として認められる場合があります。
ただし、必要な経験は業種・区分・学歴などによって異なります。
一律の年数で取得できるとは言えません。

自己資金500万円がなくても取れる?

「資本金500万円が必須」という意味ではありません。
一般建設業の初回取得では、自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力などで財産面を確認します。

この条件を満たさずに取得することはできません。
また、工事の請負代金の「500万円」とは別の話です。

500万円未満の工事でも取れる?

500万円未満の工事(建築一式工事以外)が中心であれば、法律上は許可なしで請け負えます。
そのような事業者が、要件を満たして許可を取得することは別の話として可能です。
取引先の要望や今後の事業計画も踏まえて、取得するかどうかを判断しましょう。


書類や手引きを読んでも自社の状況にどう当てはめればよいか分からない場合は、まず現在の状況をお聞かせください。
行政書士法人プラットフォームでは訪問または電話でお話を伺い、何から確認すればよいかを一緒に整理します。

建設業許可の新規取得について相談する

◀ 一覧へ戻る